現在の転職市場の動向は、入社後3年以内の早期退職者である第二新卒の需要の高まりと、どの分野でも専門性の高いスペシャリストを求める傾向にあるようです。
かつて、バブル景気と呼ばれる好景気の時代がありました。1980年代後半は土地の値段などがどんどん上がりました。その頃は企業の求人人数もどんどん増えていきました。経営がうまくいっていたため、事業規模の拡大が活発だったからです。
そのため就職市場は空前の売り手市場になり、企業は学生を獲得するのに躍起になっていました。終身雇用制が一般的だった日本では転職はまれで、一つの会社に定年退職まで居続けるという形が珍しくありませんでした。ですが、バブルが崩壊して景気が悪くなると、終身雇用制の習慣が崩れ、転職して複数の会社を経験する人も増加し始めてきました。
転職活動をする人は労働者全体からするとそれほど多くはありませんが、活性化の兆しはありました。とはいえこの当時はバブル崩壊直後で転職市場は冷え切っており、転職活動そのものが困難だったようです。就職活動が思うようにいかなかったため、正社員になれずにフリーターが増えていた時代でもあります。
転職市場がまた活況を呈してきたのは、バブル崩壊の余波も小さくなり経済が回復し始めた2003年頃で、団塊の世代の大量退職の影響も受けています。通年を通して考えると、求人も求職も盛んになる季節というものがあるようです。だいたい12月〜翌3月か、6月〜7月くらいの時期は転職、求職、求人が増加傾向にあります。これは、両時期とも、ボーナス時期であることと、更に12月から3月にかけては年度切り替え時期であることが理由です。
第二新卒とは入社後3年以内の早期退職者のことで、大体25歳くらいで最終学歴は大学程度です。中古車市場になぞらえて新古者ともいわれます。
これまで、第二新卒のような早期退職者は転職活動に不利と考えられていました。けれど、第二新卒は働くために必要なマナーはきちんと身についていて、かつ会社の色に染まっていない世代でもあります。年齢的にもポテンシャルが高いとともに、転職後の会社のカラーに染まりやすい世代です。最近の転職市場では第二新卒を積極的に雇用する企業も増えており、人気のある世代です。
そもそも最初から働きたいと思っていたところとは違う職に就職していたり、勤めて内実が見えてきたら希望していた形と違っていたという人が次の仕事を求めて第二新卒となります。若い世代は終身雇用制度には関心が薄いために比較的すぐに仕事をやめることもあり、第二新卒者の数は多いと考えられています。
どの企業でも団塊の世代が定年退職を迎えており、人材の補充の必要性に迫られています。転職市場は第二新卒者には絶好のチャンス期となっているようです。第二新卒が即戦力として期待される職種は、主に営業職や事務職などで、転職市場でも需要が高い分野です。客層が若いマーケティング部門での採用や、ITといった情報関連部門でも第二新卒は即戦力として期待されています。若い人の感性を特に必要としている転職市場で、第二新卒の需要が高まっているようです。
求人情報や求職情報を扱うホームページなどから、現在の転職事情がどのような形になっているかを職種別に整理してみました。
IT関係は転職状況が活発化しており、情報量も豊富です。その中でもこれから伸びていくであろう業種はモバイル関係です。そのため、モバイルテクノロジーに対応出来るエンジニアの需要が高まっています。携帯系分野の転職市場では、しばらく売り手市場が続くと予想されます。
売り手市場が続いている職種には、金融業界があります。特に保険業は商品が増えて仕事内容が複雑化したことや、外資系保険が日本に来たこと、近年、銀行での販売が解禁されたことから競争が激しく、サービスも多様化しています。そのため、金融業の専門知識を持つ人材が求められており、転職市場では銀行や保険会社を経験している人が求められています。
事務系、営業系での転職市場も、引き続き売り手市場のようです。どのような職種にしてもいえますが、何か新しいことをする時やそのまま規模を拡大する時でも、増やすべき部署は事務や営業であり、金融業界やIT業界でもその点は同じです。今後、競合他社との競争が激化すればするほど、人材には即戦力が求められ、専門性の高い人ほど求められていくといえるでしょう。現在、転職市場は売り手市場と言われる状態ですが、どの分野においても、スペシャリストを求める傾向にあるようです。